コラム詳細

カテゴリ

<< 新着コラム一覧へ

固定価格買取制度(FIT)が新しくなります(平成29年4月1日より)

2017/03/08

  • 画像:タグ太陽光発電に関わる制度

平成29年4月1日、固定価格買取制度(FIT)が改正されることになりました。これに伴い設備認定制度も変更されます。今回は新しくなる固定価格買取制度の概要やこれまでとの変更点について、詳しくみていきましょう

新認定制度とは

平成24年7月1日にスタートした固定価格買取制度ですが、近年、未稼働の太陽光発電案件が大量に存在していることや国民の負担の増大などが問題視されていました。これらの課題を解消すべく平成29年4月1日に改正FIT法が新しく始まり、設備認定についても新たな認定基準が設定されます。具体的にどのような新認定制度に移行されるのでしょうか。

新制度下で新たに追加される認定基準は大きく分けて3つありますので、それぞれの内容をみていきましょう。

1.事業内容が基準に適合する
  • 適切に保守点検・維持管理を行うために必要な体制を整備し実施すること
  • 事業者名等を記載した標識を掲げること(20kW未満の設備を除く)
  • 設置費用、運転費用、発電量に関する情報について経済産業大臣に提供すること
  • 発電設備の廃棄や事業を廃止する際の設備の取り扱い計画が適切であること
  • 発電に利用するバイオマスの安定した調達が見込まれること(バイオマス発電の場合)
  • 地熱資源の性状および量について運転開始前から継続して把握すること(地熱の場合)
2.事業が円滑かつ確実に実施されると見込まれる

接続について電気事業者の同意を得ていること

3.設備が基準に適合する(現行基準をほぼ踏襲)

条例を含む関係法令の規定を遵守するものであること

さらに新制度では認定申請の手続き方法も変更されます。

<改正FIT法での認定申請の手続き>

画像:改正FTI法での認定申請手順

画像出典元:資源エネルギー庁

50kW以上の太陽光発電設備の場合、旧制度では経済産業局に対し、書面による申請が行われていました。しかし新制度では、まずシステムに必要事項を入力後、申請内容を印刷して経済産業省に提出します。これによって内容に不備がある場合にもスムーズな対応が可能となるのです。

50kW未満では、設備設置者から依頼を受けた販売・施工会社が手続きを代行申請した場合、設備設置者が申請内容を確認し、承諾が確認できてから審査に入る流れとなりました。このことから、50kW未満の設備設置者はメールアドレスの登録が必須となります。

なお、認定取得後の事業計画内容の変更についても、旧制度下における手続きは「変更認定」「軽微変更届出」の2種類だったのに対し、新制度では「変更認定(※1)」「事前変更届」「事後変更届」が必要となります。

また、新制度下では新認定を取得したとみなされた日から、10kW以上の太陽光発電設備の場合3年以内に運転が開始されないと調達期間が短縮されることになりました。10kW未満の場合は1年以内に運転が開始されないと取得した認定が失効されます。

※1:変更内容によっては売電価格の変更をともなわない場合があります。

旧認定取得者に対する経過措置

次に旧制度下で認定を取得した人に対する措置についてご案内しましょう。

平成29年3月31日つまり新FIT法施行の前日までに接続契約を締結している場合には、新制度の認定を受けたものとみなされます。この「みなし認定」については、10kW未満、10kW以上を問わず、新認定とみなされた日から6ヶ月以内に新FIT法での認定を受けた場合と同等の事業計画の提出が必要となります。

平成29年3月31日までに接続契約を締結していない太陽光発電設備の案件は、一部の例外を除き認定が失効されます。例外として平成28年7月1日〜平成29年3月31日の間に認定を受けた場合、認定日の翌日から9ヶ月以内に接続契約を締結し、さらに接続契約締結から6ヶ月以内に事業計画を提出しないと認定が失効となります。

なお、みなし認定を受けた事業者の事業計画の提出は、全てインターネット上での手続きが可能です。

<みなし認定事業者による事業計画の提出方法>

画像:みなし認定事業者による事業計画の提出方法

画像出典元:資源エネルギー庁

調達価格について

新FIT法では電源毎の調達価格について、従来のFITからの自立を目指すべく中長期的な価格目標を設定しています。この価格目標を設置することで発電事業者の努力やイノベーションによるコストの低減を促そうとしているのです。それでは、各電源で目標とされる価格をみていきましょう。

【改正FIT法での売電価格】
電源 区分 売電価格
太陽光 非住宅用(10kW以上) 2020年で発電コスト14円/kWh
2030年で発電コスト7円/kWh
住宅用(10kW未満) 2019年でFIT価格が家庭用電気料金並み
2020年以降、早期に売電価格が電力市場価格並み
風力 20kW以上の陸上風力 2030年までに発電コスト8~9円/kWhを実現
20kW未満の小型風力 導入動向に応じてコスト削減を促進
洋上風力 導入環境設備を進めながらFITからの中長期的な自立を目指す
地熱
  • FITに加えて地元の理解促進、環境影響評価の手続きを迅速化し大規模案件の開発を進める
  • 技術革新によるコスト削減、開発リスクの低減を図り、中長期的にFITからの自立を目指す
中小水力
  • FITに加えて流量の調査等によるリスク低減を進めると共に新規地点の開発を促進
  • 新規地点開発後は低コストでの発電が可能になることを踏まえ、技術開発によるさらなる コスト削減、FITからの中長期的な自立を目指す
バイオマス 燃料の収集の効率化を図る政策と連携しながら中長期的なFITからの自立を目指す

入札制度について

新FIT法では経済産業大臣により入札制度の対象に指定された再生可能エネルギー発電設備については、入札によって売電価格が決定されます。入札の対象となるのは、当面の間2MW以上の大規模太陽光発電のみという案が有力です。

入札希望の発電事業者は事前に再生可能エネルギー発電計画を提出し、参加資格を審査されます。入札への参加が認められれば、安定的かつ効率的な電気を供給できる1kWh当たりの希望売電価格と出力量を入札します。最も低額で入札を行った者から順に、募集限度に達するまでの者が落札者となり認定取得の権利が与えられます。これにより、発電コストのより安い事業者が優先され、買取費用が抑えられるということなのです。

新FIT法では、再生可能エネルギーの1kWhの買取価格の入札を行うことが国民の負担軽減に有効な場合に、入札対象である再生可能エネルギーの電源区分を指定し、以下の入札策定指針を定めています。入札策定指針には以下の事項があります。

  • 入札対象とする再生可能エネルギー発電設備の区分
  • 入札に付随する再生可能エネルギーの発電設備の出力量
  • 入札者の資格の関する基準
  • 入札者が提供する保証金に関する事項
  • 供給可能な再生可能エネルギーの1kWhの買取価格の上限
  • 入札による調達価格の決定方法
  • 入札に付随する再生可能エネルギー発電設備の区分毎の調達期間
  • 入札落札者の認定の申請期限
  • その他の入札に必要な事項

 

買取義務者は送配電業者に変更

これまで発電事業者が発電した電気の買い取り義務を負う者は、電力販売を行う小売電気事業者でした。しかし、新FIT法のもとでは一般送配電事業者と特定送配電事業者の送配電事業者が電気の買取義務者となります。

一般送配電事業者とは、電力のネットワーク部門を担う事業者のことですが、電力自由化後も実質的に大手電力会社(※1)が独占しています。

新FIT法では、発電事業者が発電した電気は一般送配電事業者が主に買い取ることとなり、これまで買取をしていた小売電気事業者は発電事業者から直接調達することはできなくなります。

ただし、新FIT法施⾏⽇(2017年4月1日)以前の買取契約分(平成29年3月31日までに買取契約を締結)については、引き続き⼩売事業者が契約期間満了まで買い取ることになります。また、配電事業者が買い取った電気は原則として卸電力取引市場を経由して小売電気事業者が調達することになります。

※1:北海道電力、東北電力、東京電力パワーグリッド、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力(東京電力以外は小売電気事業、一般送配電事業、発電事業を兼営している)

まとめ

以上のように、新FIT法では従来の固定価格買取制度から様々な点が変更されます。国民に負担が少なく、安定して長期的に再生可能エネルギーを導入するためにも、新FIT法を正しく理解して、地球にやさしい太陽光発電を生活に取り入れていきましょう。

<< 新着コラム一覧へ

日本最安値に挑戦!お問い合わせはこちら